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どるとるの部屋


[2781] 働き蟻の歌
詩人:どるとる [投票][編集]


縁の下の力持ちは今日も世の中のために
汗水流して働いている
文句もこぼさずに
せっせと穴蔵みたいな薄暗い工場でからだを動かしてる
たまに失敗もする
たまには叱られる

それでも世の中の最下層で 頑張るその姿は仕事もまるでわからないくせに腕を組んで見下すようなえらそうにしている上司や高い椅子にふんぞり返っている社長よりも
ずっとずっとえらいんだよ

列になって小さな小さな針の穴のような巣の中に食べ物を運ぶ働き蟻のように
僕らは毎日毎日
朝から晩までなんやかんや事情に揺れても堪忍袋の結び目をきつく締めて仕事にひたすら粛々励むんだよ

人には見せられない
涙は数知れず
血反吐を吐くような時さえあるけれど

今日も働き蟻たちは世の中のため 人のために働き続けてる
その姿を少しでも
素晴らしいと思ったなら その人たちのために力を貸してあげてくれ
年下や年上生まれた時代育った場所そんなもの関係なく人として優しくあたたかくあれ
価値観や考え方を軽くこえた人と人の絆で互いの傷を認め合い迷いなく手をつなぐんだ
それが人というものだよ

働き蟻たちは文句を言わないんじゃない
文句を言えないだけだ
勘違いしないで

社会にとけ込めなくて いつまでも世の中に背中向けたままじゃ
だめだと思ったから
自分で今できることを僕なりに考えたんだ
冷たい世の中の風に吹かれて 誰かの視線が痛くても
必死でここまで歩いてきたんだよ 僕のこの足で

働き蟻たちは 笑ってるけど 本当は泣きたくて仕方ないんだよ
言いたいことも満足に言えないまま
ただ毎日堪えて耐えて 誰かの言葉に言い返したくても 黙ったままうなずいている
笑えば笑うほど 心の闇は広がって 孤独に苛まれるけど 僕ら働き蟻たちには 居場所があるだけありがたい
そんな理屈で 納得したかのように生きています

僕らのあしたは晴れるかな?

2011/05/01 (Sun)

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