詩人:どるとる | [投票][編集] |
降り続く雨に濡れながら ひた走る僕の後ろから また新しい明日が追いかけてくる
とりとめもないことに今日も苛立って
何かをなくして
何かを手に入れて手に入れたものと同じだけの代償を支払ってまた何かを手にする日々
悲しいくせに 悲しくないふりをしてまで
涙を隠してまで浮かべた笑顔だけど 今にも泣きそうだった
雨降りの街並み
通り過ぎてゆく
時計の針の音だけが
景色に残像を残すように
かすかな余韻を置いていく
明日に向かうための切符を握りしめて
夢に揺られて
通りすがりの人が
挨拶代わりに
僕にくれたのは
そんな無防備な態勢じゃ 訪れる未来には希望はないと思うことさ
窓の外の雨が 急速に強まった気がして
扉を閉めようとしたけど あまりの風に現実へと 引き戻され
気づいたときには
またいつもの憂うつな朝だった
やっぱり僕は不運な宿命から逃れられないレインマン
勇んで飛び出した時に限って 雨に降られる 油断したらすぐにずぶ濡れ
神様の名前を叫んでも 救いの光は差し込まない
願えばどこへでも行けてしまえるこの身を包む自由をこれほど 憎んだ日はなかったよ
それでも 雨に濡れながら 僕は追いかけてきた明日にしがみついて そのまま 明日に行くのさ
たどり着いた明日に希望はなくても
生きることが唯一
僕に示された道なのだと知っているから
灯台の光 見失わないように 多少悲しくても 現実から目をそらさないよ
追い風が 吹いていたのは昨日までの幻だと知るんだ
明日からは過酷なくらいの向かい風が吹き荒れる一週間になる
それでも それでも
僕はカレンダーの数字を飛び越えて
雨がやむのも待たずに 雨の中に飛び出してゆく レインマン
傘もレインコートも用意されていない人生だから
悲しみにさえ濡れながらも 雨上がりを目指すように喜びを探しに行くんだ
明日へ…