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どるとるの部屋


[2909] また会う日まで
詩人:どるとる [投票][編集]


少し青みがかった 夕暮れの空に 浮かんだ茜雲と 誰かのへたくそな口笛がどこかから聞こえる
カラスが鳴いて 少し切なくなったら きっと涙が意図せずに流れるけど なんとなく優しい気持ちになれるんだ

ただいまっていう言葉を 今日も持ち帰らなきゃ
そして その言葉のかわりにおかえりなさいって言葉を大事な人から受け取るんだ

自転車で駆け抜けた景色の中に 飛行機雲のように僕のからだからたなびくように
涙が尾を引いて キラキラと星のように流れていく

さよならは始まりを告げる 呪文さ
ほら なんかの歌であっただろう さよならは別れるための言葉じゃなくまた会う日までの遠い約束だって僕も思うから

また会う日まで
友達にも恋人にも
今日の自分にも
手を振ろう

この涙は 悲しみが形になったものじゃなくて 今日も頑張ったって証だと考えると楽だよ

バイバイ おつかれさまでした
雨降りの1日を生きていた人も
笑っていた人もみんなに訪れる1日との別れ そしてまもなく訪れる夜

また会う日まで
僕は笑っているよ
また会う日まで
涙は風に流すよ

今日の涙は明日の笑顔だって 疑いもなく信じたいから 悲しくても切なくても ちゃんと1日にお別れをしてさ 明日に備えるよ

また会う日まで
繰り返す出会いと別れ
いつものことだけど
この切なさにはなれないんだ
なれないほうがいいのかな
大人になっても 忘れちゃいけないような大事な色をしてる空に 僕は 優しさを見つけたよ

さあ おやすみ
瞼を閉じて夢という闇に横たわろう。

2011/06/03 (Fri)

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