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どるとるの部屋


[298] 嘘の嘘
詩人:どるとる [投票][得票][編集]


素直な気持ちを提示しろというならばそれは鏡には映らない部分で心の中にある歪んだ感情だから見せ物ではないのです お引き取りを

「あんたなんか嫌いだ」とか「仕事なんか嫌いだ」とか心の中には目上もなにもない 素直な気持ちなのに周りを見りゃみんなほとんどが嘘か相づちで自分を隠してる
但し心の中でならば遠慮せず死ねとかもたやすく思えます

素直な気持ちを言葉にしたら人は生きてはいられないね
素直な気持ちさえ人は隠して仮面をつけてるみたいにお世辞と嘘で身を固めて愛想笑い振りまけるから
僕らはたまに救われて僕らはたまに裏切られて
嘘に嘘を重ねて
だけれどむなしいね
心が卑屈になる

嘘をつくたび人は中身から腐ってしまうから
また嘘で嘘を塗り固めようとするからまた心がひとつ腐ってゆく
嘘の嘘の嘘の嘘でもうどれが本当の気持ちなのかわからなくなってしまうからとりあえず適当に媚びへつらうしかないだけ

サーカス舞台のピエロみたいに感情のない笑みをばらまく
そんな日常にもはや本当の笑顔が入り込むすきなどなく
休日も悲しく悲しく過ぎてゆく
ほとんど笑顔など疲れてしまい見せられやしないから

嘘をつくたび人は中身から腐ってしまうから
また嘘で嘘を塗り固めようとするからまた心がひとつ腐ってゆく
嘘の嘘の嘘の嘘でもうどれが本当の気持ちなのかわからなくなってしまうからとりあえず適当に媚びへつらうしかないだけ

こんな不順な生活は…
わかっていても何かに逆らうような目処は立たない

雨が降る音がする 心に
聞こえない
何も
聞こえない
余計なことは
聞きたくないことは
そんな諮詢を繰り返している

嘘に嘘を重ねその嘘にさらに嘘を重ねて僕は嘘を糧に嘘っぽく生きていく
嘘に身を任せてその嘘に嘘を偽善っぽく繕ってしのいでく

世渡り上手であるかの様に巧妙に自分を偽って。

2009/10/14 (Wed)

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