詩人:どるとる | [投票][編集] |
夢 それは 目覚めるために見るつかの間の安らぎの地
桃源郷にも似た楽園
眠ったら起きる
眠ったら起きる
うつつへ帰るため
僕らにとって
夢や妄想の中は
帰る場所じゃ
無いんだ
眠ったら起きなきゃ
眠ったら起きなきゃ
死んでしまうよ
飛び立つんだ
目をあけて
現実を見つめよう
自分の目で
確かめよう
さしこんでいる光を…
夢を蹴飛ばして
形あるぬくもりに触れよう
いつまでもここにいちゃいけないよ
年老いた浦島太郎が言っている
君は私みたいにおとぎ話の中の住人じゃないんだから
現実へ帰りなさい
もと来た道を戻りなさい
そう言われたのさ
だから目覚める
目を静かにあけ
おとぎの扉を閉めて
鍵を掛けて
また再び開くときまでまた会おう さらば
三度始まる生活の中へ行こう 行こう 行こう
手当たり次第に照らす太陽のライトを避けながら避けながら
生きてても笑えるんだから僕らは幸せだろう
だからね
おとぎ話みたいな夢は夜だけに見るのさ
永遠の楽園はきっといつかは人を退屈させるだけだから
おとぎ話と血みどろリアルな物語を繰り返し
僕らは目覚める
新しい朝に 今日も
目覚めぬ夢に落ちるまで
死ぬなんていけないよ
しっかりきっちりうつつの夢を見なきゃ
形にしなきゃ
単なるイメージから取り出さなくちゃ見てても悲しい夢だろう
胡蝶が舞う楽園に
金の砂が吹き荒れる
イメージにイメージを重ねて笑ってるだけだなんて悲しいから片っ端から叶えていこう
おとぎ話の続きの続きを読み聞かせよう
うつろな自分に
いつかのおしまいの日のために
胡蝶の群の中へ割り込むように飛び込もう
胡蝶が飛び散れば
そこにはきっと特大の夢が僕を待っているぜ
満面のスマイルで
おとぎ話みたいには華やかじゃないけれど地味に幸福な未来である。