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どるとるの部屋


[3050] 命のメロディ
詩人:どるとる [投票][編集]


蝉の命は短い
短いから
その短い一生を
僕ら人間より大事にする

蝉は儚い
その命尽きるまで
必死に鳴き続ける
そしてやがて
暑さもひく頃
蝉の声がやんで
夏も終わる

蝉しぐれがやんでも
耳に残りいつまでも
耳の奥で鳴き続ける
蝉の声 蝉の声

僕にはなんて言っているのかわからないけどきっときっと蝉は何か思いがあって
歌うように叫ぶように 鳴き続けているんだ

短い蝉の一生はきっと僕ら人間より 儚いだろう 悲しいだろう
でもだからこそ 素晴らしい蝉の声 蝉の声
今日も焼けるような暑さの中 聴こえてる 聴こえてる 蝉の声

短い一生を夏の間鳴き続け
やがて鳴きやんで
夏の終わりが
静かに訪れる

蝉の声は煩いけれど
なんだかあの鳴き声を聴けば夏が来たって気になるから
不思議だけど
あの鳴き声がなけりゃきっと夏は来ないんだろう
今年も蝉の声が聴こえるから夏は来たんだろう

風鈴の音色も
祭り囃子も
花火の音も
いいけれど
やっぱり
夏のはじめは蝉の声だよ

耳をすませば 聴こえるよ 今日も蝉は短い一生を休むこともなく鳴き続けてる 鳴き続けてる

蝉の声は 命の声
命を懸けて 紡ぐ唄
夏をあざやかに彩る命のメロディ

今日も元気に鳴きます
″ミーンミーン″と。

2011/07/07 (Thu)

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