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どるとるの部屋


[3074] あの日のこと
詩人:どるとる [投票][編集]


人は日々生産と消費を絶えず繰り返しながら
無駄なゴミを増やして 無駄なエネルギーを使う
地球はずっと昔から叫び声を上げてるのに僕らはその声に耳を傾けることもなく
いつも いつも
暑けりゃ
バカみたいにエアコンの温度を下げて
寒けりゃ
バカみたいにエアコンの温度を上げて
我慢することもなく
あっちでこっちで
電気を無駄遣いする
僕もその一人だ

痛い目を見なきゃ気づかないのが人だから今年の地震で大凡の人の目が覚めたろう
いつか起こりうる未曽有の災害に備えて 避難用具を買い揃えたよ
避難場所の確認もしたから いつ地震が起きても大丈夫
僕だけは逃げられる

他人を押しのけて
自分だけが助かりたい
きっと窮地に追い込まれたらそんな身勝手な考えがよぎることだろう
でも僕らは手をつなぎあってはじめてその力を発揮する人間なのです
だから助け合って
地震や津波がもたらした悲しみや恐怖を無駄にせぬよう
明日からの日々を生きていこう

地震が教えてくれたことは意外と多いんです
人の命はもうかえらないけど きっと今回の災害の火の手は未来には届かない
だって僕らは大切なことを知ったから
僕らの耐震度はもう揺るがない 揺るがない

だけど人々の心の中には永遠に消えない傷が残った
あの日のことは忘れちゃいけない
でも 前に歩き出さなければならない
散らかった街を
立て直して
亡くなられた
人々を手厚く供養して僕らは生きてゆく

あの日のことがただの昔話にならないように あの日の涙をあの日の悲しみを 胸に刻み込んで 振り返らずに 歩くことが残された僕らにできるささやかな復興支援

ほら空は青く
雲は白く
真夏の陽射しが
照りつける
季節は夏

あの日のことはあの日のことで悲しかったけど 悲しみを乗り越えて踏み出す一歩はあの日の悲しみを少しだけ 遠ざけてくれた あの日のこと。

2011/07/16 (Sat)

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