ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 見えざるエンドロールに見送られて

どるとるの部屋


[3254] 見えざるエンドロールに見送られて
詩人:どるとる [投票][編集]


拍手もなく終わる
僕のつまらない
人生の最終回
味気なく さよなら

もう言葉も交わせないんだね
小さく 手を振り
もういいよとばかりに受け入れた最終章

ゴールテープを切るまもなくあっけなく
終わったかどうかもわからぬうちに 涙を流す暇もなく
見えざるエンドロールに見送られて さよなら

生まれた意味や
生きていく喜びを
知ることもなく
神様は僕の記憶を
その時 いとも容易く 消し去るだろう

来るべき明日に そこはかとない 悲しさを重ねて 浮き世をさまよう 旅人

時は残酷に
ただ 流れ
感情のない
冷酷さで
救いの手も
差し出すこともなく
つまらない
計算とリアルな
痛みを与えたまま
理不尽極まりない
せわしい時間を
強いるのみ。

2011/09/17 (Sat)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -