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どるとるの部屋


[3297] 週末サラリーマン
詩人:どるとる [投票][編集]


今日も一家の大黒柱
お父さん 汗水流して働くよ
だけど 所詮わたくしは社会でいういわゆる平で立場などはないに等しい

そんな僕でも毎日頑張るサラリーマン

会社では媚びを売り
愛想笑いを振りまく
どこにでもいる つまらない大人で
上司には頭が上がらない

家では奥さんの尻にしかれて 子供はもう言うこときくような
歳ではないのです
お父さん今日も ゴルフですか? 付き合いだから仕方ない
無に等しい月に一度の家族サービス 金だけ渡して 母さんと遊びにいっといで
口癖は 疲れたなあ
倦怠期フル回転
今日も憂さを晴らすようにパチンコ 競馬 競輪 果ては六本木で安上がりの豪遊気分だ

安い給料袋をぶら下げて 今日も帰るよ
こんな僕でも誰かにほめられたい
いいとこなんてないけど ひとつやふたつ探しゃあるでしょう
強がった夜
夜食はカップめん

妻に愛想つかされて
家を追い出されてもう数ヶ月が過ぎて
子供の顔が目に浮かぶけど 多分もうお父さんなんて 言ってくれないかもしれない
頑張ってるのに 認められない悲しき生き物

週末の夜は サラリーマンの天国
今日はあの店で
お酒を飲もうかな

月夜の晩に ひとり晩酌 おつまみは柿の種
ギリギリで稼げてるメシのタネ
嫌だね嫌だね
口癖がまた増えた

安い給料袋持ち帰る 今月はやすいわね
おまえになにがわかるんだよ 男の俺についてこい 般若のような顔の前で言えるわけもないその言葉
今日も 給料袋渡したらいそいそと小さな城へと帰る

週末の夜は悲しく過ぎていく
慰めてよいたわってよ
誰でもいいから

夜風が身にしみる季節 もういくつ待てば小雪混じりの切なさが 降り出して 涙も流れるでしょう

ため息ひとつ
屁を一発
ついでに
ファイト一発

週末サラリーマン
俺は孤独という名前の旅人だ
さびしい人じゃない望んで群からはぐれた孤高の一匹狼。

2011/09/29 (Thu)

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