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どるとるの部屋


[3436] 種を蒔く
詩人:どるとる [投票][編集]


慰めという種を蒔いたら
笑顔という花が咲いた
労いという種を蒔いたら
僕の心にまで同じ花が咲いた

感謝という種を蒔いたら
ありがとうという花が咲いた
謝罪という種を蒔いたら
ごめんなさいという花が咲いた

悲しみという種を蒔いたら
涙という花が咲いた
安らぎという種を蒔いたら
平穏という花が咲いた

責め苦という種を蒔いたら
傷だらけの花が咲いた
後悔という種を蒔いたら
戒めという花が咲いた

理不尽という種を蒔いたら
不純な花が咲いた
溺愛という種を蒔いたら
同じような色をした花が咲いた

蒔いた種次第で どんな花が咲くかが決まるんだ

君が蒔いたように
育てたように
子は育ち
教えたように
見たままに
その子は
花を咲かす
笑顔も涙も
花びらの一枚さ
今日はどんな
花を咲かすだろうか
そしてどんな
種を蒔くのか
間違いも過ちも
さも良いことのように教えればそれに通じた花が咲くことだろう

優しさという種を蒔いたら
柔和な色のかわいい花が咲いた

ため息という種を蒔いたら
元気のないしおれた花が咲いた

今日はどんな
種を蒔くのかな
そしてどんな花が咲くのかな
すべての人の営みに寄り添うように
花は咲くんだ
君の顔に咲いた
花は笑顔ですか?
涙ですか?
君がいつも
笑っていられるように些細な出来事でさえもくだらないことなど何ひとつないと思うから
僕は君を悲しませないように 君が幸せになれるような花が咲く種を蒔く

家族だって
友達だって
身近な人にだって
誰にだって
無関係のすれ違っていくだけの人だって
すべての人に
与えられたこの時間の中誰もがみんな
それぞれの今を生き
泣いたり笑ったり
花のようにほころんだりしおれたりする心を抱きしめてる

そしてまた僕は君に
種を蒔くのさ
水も肥料も必要ない
必要なのは多分愛と優しさ

そう難しい事じゃないはずだ。

2011/11/28 (Mon)

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