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どるとるの部屋


[3441] 天までとどけ
詩人:どるとる [投票][編集]


昨日の上に今日が降り積もり今日の上に明日が覆い被さる

今の上にさらなる今が重なり
今の今とは違う今が今か今かというまに
今じゃない今になり
その今も今じゃなくなる

上から下を見下ろすよ
懐かしい景色が見えるよ
下から上を見上げるよ
たくさんの夢が広がるよ

理想が尽きないほど
明るい未来を期待して
若さを糧にして
不安さえ蹴散らし進む

上へ上へと
時は流れてるのに
下へ下へと
命だけは少しずつ削られる
今日も


昨日の上に今日が降り積もり
いくつもの今日が連なって 重なるように積み重ねられ
高い高い塔の上僕は今日という名の柱をつなげて天国への道をつなぐ
まだまだ天には届かないけれど
いつしか僕も消え去るだろう
見えない塔を残してやがて崩れ去る命だから 無意味だなんだと笑うこともばかばかしいから ただ黙々と 流れ作業よろしく僕は今日も繰り返す

ああ 天までとどけ
そして何もかも
昨日になってしまえ

心にもない願いを胸に生きる今よ

繰り返すむなしさ
永遠のない儚さ
すべてが無意味なら
僕が生きることも
生まれたことも
意味はない
だから意味を見出すように繰り返し繰り返す

天までとどけとばかりに
いつか辿ってきた道振り返るその時
ありがとう、幸せだった そんな気持ちになれるような
今を勝ち取るそのために僕は生きるんだ

天までとどけ 命よ
そして何もかも
幻だと気づいても
命の影は消えません
命の影は消えません

ああ 天までとどけ
そして何もかも
昨日になってしまえ
さよならという言葉だけを残して。

2011/11/30 (Wed)

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