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どるとるの部屋


[3454] 美しいもののすべて
詩人:どるとる [投票][編集]


心から美しいと思うものを僕は知ってる
それはたとえば当たり前な毎日の中にそっと隠れてんだ
ほら見てごらん
あそこにもここにも
見つからないように幸せは尻尾だけをのぞかせてる

平坦な道の上
単純な話をして
いつもの
ルートで帰る
決まった時間に
決まった仲間と
ゆっくりのんびり急ぐこともなく

何もない部屋の中に
誰もいなくなった
線路沿いの道に
美しいものはちゃんとあるじゃないか
欲望に目がくらんでいるから見えづらいだけなんだよ

君の中にある
何か 不具合なもの
そうさ 特別なものとして受け入れてみればわかるさ

それこそがまさに美しいもののすべて

それをのぞけばこの世界に美しいものなんてありゃしない

明日の天気なんか正直どうだっていいんだ
ただ少しだけでも
笑えるか
それのほうが心配で
枯らしてしまった鉢植えの花は 庭に埋めて また新しい花を買い換える
簡単な行為さえ
命を手の平の上で弄んでる

美しいものはいつだってここにあるんだよ
幽霊と同じかもしれないな
見えていないだけでそこにあるんだな

退屈な毎日が
ただあくびしてくしゃみして終わるだけの1日も すべてすべてすべて 美しいものの中に含まれる
かなり裕福ってわけでもないけど貧しいかといえばけっしてそんなことはなく
どっちかっていえば幸せすぎるくらいだろう
そうだろ?

君が鼻で笑いバカにしてる 出来事が
どんなに幸せなのか君だって本当はわかってるはずさ
だから目を閉じてごらん 暗闇の中に光がほしいだろう
だから目を開けるんだ
心の目さえ 全開にして あらゆるすべてのものを見過ごさぬよう視界の中にとらえよ

簡単なことさ
目に見えないものの感謝を いつでも忘れずに 努々 気を抜かぬよう 努めよ!

それがきっと美しいもののかたち。

2011/12/03 (Sat)

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