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どるとるの部屋


[3453] なみだ雪
詩人:どるとる [投票][編集]


雪が降り続く 真冬の街
賑やかなメインストリート
寒さにかじかむ手の平に息を吹きかけて
プレゼント胸に抱え
楽しそうな笑みをたたえ 駆けてく子供をすらりとかわす

サンタクロースは大人にはプレゼントをくれないのかな
それとも僕は大人にすらなれなかったのかな?それはわからない

ああ 冬の街は雪の中
空を見上げれば 星が空一面を 覆い尽くす

何かが名残惜しいよ
何かが今足りないよ
この手を握ってくれる愛が此処にあれば
僕の胸に降り積もる
切なさもさびしさも
もう少し優しくみえるのかな
涙が雪をとかしてく

君の名前を呼んだよ
こんなにも 愛してるのに僕の声は届かない
涙のような冷たい雪に降られ 僕の心はだんだんと感覚を失ってゆくように
君のぬくもりさえも
思い出せない
記憶さえ凍りついたように 雪の中 埋もれながら ただ君の名前だけ 呼んでいた

街灯が照らし出した
淡い雪の平原
君は言ってたね
雪が光ってるみたい
そんなかわいげのある言葉ももう聞けないんだね
僕は映画館の中
いつまでも流れるエンドロールを独りきり 飽きもせず目もそらさず見続けてるようなそんな気持ちさ

何かがおかしいんだ
隣にいるはずの君が
見つからない夜なんだ
僕の胸に降り積もる
切なさもさびしさも忘れてしまえと言ってるように思えてくるんだ

静寂の中に咲く僕の声は君の名前を呼んだのに 悲しく響くだけ
愛してる 愛してる
何度でも変わらない結論(こたえ)
それでも君の結論(こたえ)は決まっているんだね
もう終わった恋なんだね

わかっていても
心から愛していたんだよ

なみだ雪 はらりはらりと 頬をやさしく撫でるように 降るから泣きたくなるんだ

ああ 冬の街
行き交う恋人たちと輝くネオンとクリスマスに向けての装飾
泣きたくなる
泣きたくなる

何度もよぎるあの頃の思い出があまりに優しすぎて。

2011/12/03 (Sat)

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