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どるとるの部屋


[3495] 名画としての人生
詩人:どるとる [投票][編集]


ゴッホのひまわりも
ピカソの泣く女も
名画と呼ばれてはいるけれど 本当にそう思いますか?
みんなが口をそろえて名画というけれど
好きか嫌いか それだけで名画は落書きにも見える
美的センスなど関係ない 見る人の心にとまれば 露店で売っている 売れない画家の絵ですらも 子供が画用紙に描く絵にさえも価値は生まれるのさ

僕の描く人生は どんな名画よりもずっと
かけがえのないものだと思うから

それぞれのタッチで
それぞれの速さで筆をはこぶ日々
配色も構図も皆違うから
見れば見るほど面白い
出来上がりまでは どんな絵になるかわからないけれど
そんなこと考える暇もなく 僕らは生きていくのさ

再び繰り返される
同じタッチの構図で
僕はまた 筆をはこぶ
塗りつぶした過去も
すべては積み重ねた
日々の中に 塗りつぶしたその下にあるから 消せやしないさ
罪も傷跡も悲しみも
すべて

僕は描く 何よりも 誰よりも素敵な絵を 負けない 負けない
負けないさ
僕だけしか描けない
天才と誉れ高き
私の描く絵は
名画としての人生ともいうべき壮大な一枚の絵だよ

どんな画家にも描けない絵がある
それは人生という絵
その人にしか描けない人生がある
君は君の
あなたにはあなたの
僕には僕の
人生という名画
名画としての人生

モデルは僕ひとり
僕が僕を描いていく
ひとり遊びの日々

涙が一粒 キャンバスに落ちて にじんだ空に 星がひとつ流れて ただいまというあなたの声がやさしく響くと また付け足される思い出 あざやかな色彩で絵は染まる

名高い名画の隣に
飾ってほしい
僕らの人生描いた名画

そんな美術館があったらいいよね

そしてまた僕は筆を握り 思い思いに絵を描く

今日の涙も 昨日の笑顔も 明日の切なさもいつかの儚さも
すべて

私の描く絵は
名画としての人生ともいうべき壮大な一枚の絵だよ。

2011/12/08 (Thu)

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