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どるとるの部屋


[3525] 空白の時間
詩人:どるとる [投票][得票][編集]


いくつものまばゆいシーンの中
振り返ればどんな場面でも
不思議なんだけど今よりはずっと美しく見える

昔話はやめにして
前を向いて歩きなさい
かたつむりのように低速で進む日々
季節は往々にして 行ったり来たりを繰り返す

僕らを急かすものは
何もないはずだ
いつか終わる旅なのに何を急ぐことがある?

ゆっくりのんびり
歩いていこう
死ぬまでの空白の時間の中 幻のような日々を笑い飛ばしていけ

ああ 悲しみも喜びもあの空よりはとても小さく あの海よりはとてもちっぽけだ
気にすることはない

どうにかなるさと
胸をたたき
歩いていく
僕の足取りは
軽くはないけど
きっと大丈夫さ

慌てず急がず
のんびりと
残された時間の中
くたばるまでの空白の時間を精一杯 笑い飛ばすのだ

昨日より今
今より明日
明日より来週
来週より来年
来年より再来年
数十年後…
そんな
夢を見るのは
むなしくなる
だから
僕らは 僕らは
今すぐに
笑いたいのだ
笑いたいのだ

小さな幸せに
ちっぽけな喜びに
迷わずに

ゆっくりのんびり
歩いていこう
死ぬまでの空白の時間の中 幻のような日々を笑い飛ばしていけ

夢から覚めたら
そこは どこ?
殺風景ないつもの部屋
窓を開け 深呼吸したら もう何も怖くない

さあ 今日も 空白の時間に たっぷりと笑顔を振りまけ

鮮やかな色彩で染め上げてごらんよ

ただ、生きることに
限りない幸せをかいま見る
そんな今日であれ

そんな人であれ。

2011/12/12 (Mon)

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