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どるとるの部屋


[353] 無意味な様で有意義な1日の中で
詩人:どるとる [投票][編集]


なんでもない1日がこうして暗くなっていって
なんでもなくいつものように終わりをむかえるのさ
誰かが落とした1日をおもむろに拾い上げるような仕草をする
僕はどんな1日だって捨てたくはないから
どんな小さな言葉だって励ましだって無意味だとは思いたくないのさ
心をよぎる一抹の不安を消し去ることができなくても絡まった糸を少しずつ少しずつほぐしていくことはできるはずだから

幸せなど要らないよ
ただここにありふれた1日と地味に美味しい手料理
それだけ変わらなければいつでも僕は笑っていられるから

今日のある意味、明日が来る意味、それでも生きていく理由
それはきっと僕の中にもうあるはずだ
探さなくてももう僕は知っている
大切なことだ
だけれどたやすいことだ

無意味な様で
有意義な1日の中で
吹き出す気泡のように沸き立つ答
汚れのないその姿はまるで天使のように僕の脳髄を逆撫でする

なんて心地いい手触りだ

単なるイメージが
立体的な感触を持ち出したら膝が笑うほど嬉しくなる
涙で 涙ですべてが見えなくなるよ

今日はなんてありふれたつまらない日だろう
だけれど愛してるよどんな1日も 愛する君も

みんな、こんなふうに過ぎ去る電車を眺めるように1日をぼう然とただ積み重ねてしまうだろう?

無意味だ。
無駄だ。
そんな言葉を
邪な気持ちで
1日を汚さないで
ゆっくりでいい
身勝手でもいい
花を生けてみよう
華を添えてみよう
輝きは案外すぐ側さ

すべてに意味があるようにあなたがここにいるように見るもの聴くものさわるものそのすべてにひとつひとつ理由と意義が備わっている

ほら、掘り起こしてみてごらん
記憶の畑にメスをいれて
きっと生まれた意味が君に見かけてその頭を出すだろう

君は幸せになるために生まれたってことだよ
目覚めよ、各々方!

2009/10/24 (Sat)

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