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どるとるの部屋


[3666] 嫁ぐ娘へ
詩人:どるとる [投票][編集]


ついに明日 娘が
嫁ぐ日が来たんだな
お父さんはわかっていても やっぱりさみしさ隠せない

やけ酒じゃないけれど 結婚式の前だっていうのに 飲みに出かけたんだよ
泣きながら うれしいくせに

ああ 娘が嫁ぐのは
きっと 喜ばしいことなのに お父さんは
煮え切らない思いでいるよ

嫁ぐ娘よ 幸せになってください 僕が与えられなかった幸せを
旦那さんがくれるから

言葉にならないけれど
おめでとう
それだけ言うよ

ついに我慢できなくなったよ
娘の読む手紙に涙が止まらないの

嫁ぐ我が娘よ 幸せになってください
ああ ひとつだけ言うよ たまには家に戻って来いよ

そして季節は流れ去り 気づけば孫も生まれ おじいちゃんとすがりついてくる孫に
笑いかけ 結婚式の時のさみしさなんかどこかに行っちゃった

嫁ぐ娘が嫁いだ娘に
なった今は ただ 父として できること
残された数少ない時間の中 できたなら

はじめて おまえを見たとき 俺はうれしくて言葉にならなかったんだよ だけど旦那さんと寄り添い 幸せそうなおまえを見たら また泣けてくるんだ

煙草吸ってくるとごまかして 庭で泣いてたお父さん。

2012/01/28 (Sat)

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