詩人:どるとる | [投票][編集] |
絵本の中の童話はいつもハッピーエンドで終わるのに
現実はハッピーエンドにならない
バッドエンドでもまだ死ねない
主人公になるのは簡単
漫画の中じゃどんなにバカな奴でも主人公になれるんだ
頭の悪い奴でも絵本の中では主人公
現実は頭と体力がなけりゃ働くこともいい大学入ることもできない ほらそこからして漫画とは違うだろう
童話の中では魔法も使える
童話の中では楽しい冒険ができる
悲しみなんて まるで無いかのようさ
涙のいらない楽しいだけの絵本の中
僕が見た主人公はいつも笑っていた
僕が見た主人公は笑うことしか知らないみたいに笑っていた
ハッピーエンドじゃなくてもね きっときっと 大丈夫
主人公にはなれなくても脇役でもきっときっと 大丈夫
僕には僕の毎日がある
魔法はなくても それなりにいろいろある
童話の世界に現実を重ねても悲しいだけさ
悲しくてもね現実は童話とは混ざらない
それがまさしく現実だ
だから悲しいときは泣いて泣いて
泣き止んだら笑う
それが僕が見つけた朝にたどり着ける一番の早道
絵本を閉じて 僕は大人になるけど
夢は何度でも 繰り返し見る
そのたび切なさが胸を突き刺すけど気づいたんだ
童話の中じゃ こんなに 泣けない
こんなに 生きる喜び 痛いほど 感じないね
生きているから悲しい
そう思う幸せ 角度を変えれば それは喜ばしいことさ。