ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 月に吠える

どるとるの部屋


[3784] 月に吠える
詩人:どるとる [投票][編集]


負け犬の遠吠え 声なき声が今日も聞こえる ほの暗い闇の中から

ため息の行方 そして迷子の心 置き場のない悲しみ そんなものから一刻もはやく逃れたくて 僕は大人になったのに

負け犬が月に吠える夜だから 今夜は背中合わせで会話しよう

見えない表情 思い浮かべる声と声だけの心理戦

どんないかさまも通用しない

嘘偽りもなく
僕は悲しくて
嬉しいのです

分かり合うのが
面倒な時は
いっそ傷つけあうくらいの醜さを曝そう

傷跡を舐めあう口実にしよう

負け犬が月にプロポーズ 愛してるよハニー
その輝きは僕だけのもの

ねえダーリン 振り向いて どんな追っ手も振り切ってみせるから

謎が謎呼ぶ 魂同士の駆け引き

負け犬が月に吠える時には その口をキスで塞いでね

どんな悲しみもいいわけも愛が 強さという勇気に変えてくれる

尻尾垂れ下がった犬のよう
言い負かされた夜
心理戦は今夜も僕の負け
また負け犬になる

セイ!マイガール
たまには一緒に吠えようよ

常識じゃはかれない何かが この胸をさらうときには
きっと 負け犬は増えるから

だから僕らは弱みを見せまいと月に吠える。

2012/03/10 (Sat)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -