詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕は描く 鏡も見ずに自分自身を描く
アトリエには 今日も失敗作が並ぶ
天窓からの眺め ありきたりだが美しい
アトリエの夜は短い
腹を空かせた猫が鳴く 分け前をねだる猫に チーズをあげる
悲しいような 嬉しいような表情で
笑うように 泣くように生きてる
僕は描いた自画像のタイトルを考える
絵の具などなくても僕らは鮮やかに染まる
たったひとつの灯火
アトリエにともるよ
アトリエの冬は暖かい
愛という不思議な唯一の傑作を眺めながら
僕は言葉もなく 静寂の中に佇む
誰より大好きな君を描きたい 僕の瞳の中笑う君や涙する君
いろんな君がアトリエにはあふれている
なんて素敵なんだろう
何ひとつ価値なんてないのにね
どれもこれもが宝物
アトリエの夜は賑やか
今日も人生という絵の中で二人は愛し合う 互いを思う心を信じながら
アトリエの夜は過ぎても窓に映るばら色の幸福よ。