詩人:どるとる | [投票][編集] |
電気をつけよう
明かりを灯そう
暗闇の中に希望が無いのなら
真っ暗闇の世界には
光が足りぬ 光が足りぬ
電気が無ければ
明かりに代わるもの
喩えば愛や優しさがきっと道しるべ
明るすぎるこの世界では本当の暗闇は誰の目にも見えぬ
電気をつけよう
明かりを灯そう
暗闇の中に救いが無いのなら
真っ暗闇のこの世界には幸せの価値も愛情の際限もなんと不安定なことか
海を隔てた向こう側の世界じゃ僕らの当たり前は贅沢以外の何ものにもあらず
真っ暗闇の 真っ暗闇の そのまた向こうでまた 嘘っぱちの朝が燃えている
朝焼けは幻 夕暮れも幻 宵闇の中に 生まれた悲しみや 行き場のない言葉またはその概要
概念を振り切って
僕は全てを捨てたい
そしてまた最初から
真っ暗闇でも 目の前の愛や人の痛みを確かに見つめていた
そんな世界に生まれ変われたら きっときっと僕ももう少し人のことを好きになれる 愛せる
憎しみさえ罪
常識の上では逆らうものは全て悪
明るすぎるこの世界じゃそれが当たり前
明るすぎるこの世界じゃ全てが血なまぐさく映る
現実は眩しいばかりにこの瞳に 突き刺さる 見えない人々の視線 冷ややかに
電気をつけよう
明かりを灯そう
暗闇の中に希望が無いのなら
無駄な電気を消そう
角度を変えよう
明るすぎる世界に隠れて見えない希望にそっと語りかける
大事なもの 大事なこと 何か欠けてる世界
何か忘れてる世界
真っ暗闇の心の中にこそ電気をつけよう
目に見えぬ瞼の裏の真実を照らせ
そこには光よりやさしい闇がある。