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どるとるの部屋


[3890] さよならの輪郭
詩人:どるとる [投票][編集]


それでも花は散っていくんだよ
どんなに 悲しくても
それでもさよならの輪郭をなぞるように 映画は終わるんだ

盛り上がりの場面にさえも悲しみや切なさは一向に消えずに
僕の瞼の裏に焼き付いている

この街の夕暮れに
僕は優しさばかりを
見てきたわけじゃないはずなのに
どうして愛しいんだ

わけもなく泣きたくなる だんだん暗くなってゆく
街明かり揺れて ぼんやりと 遠くから 光を放つ

忘れられないあの悲しみも まだこのむねに残ってる真新しい痛みも
全てさよならのあとには 何事もなかったかのように夢の中の出来事になる

それでもなぞるんだ
それでも花を育てるんだ

さよならにたどり着くために

さよならを好きになれるように

僕は日々を笑いたおして過ごすんだ

エンドロールを過ぎてもまだ終わらない

明日は晴れかな雨かな
一つ一つの出来事に配分されるように
どんな1日も悲しくて でも嬉しくて
さよならのあとには必ず あたたかい何かが心包むから

だから僕は何度だろうと このさみしさを抱きしめるんだ

さよならを塗り替えるように

生きる悲しみさえも笑いたおすんだ

確かなその輪郭をなぞるように

逆らえない運命がそうさせるように

外傷も痛みもないけれど日々少しずつ削られていく命を見つめてる。

2012/03/31 (Sat)

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