詩人:どるとる | [投票][得票][編集] |
生きて行けばいい
たったそれだけの
ことが辛いんだ
生きて行けばいい
百年くらい経って
くたばるまで
かんたんに言うなよ
案外難しいもんさ
やろうとしてやってもいつも空回り
ペダルひとつぶん足りないよ あと少しなのにどこかでまたつまずく
空気の抜けたタイヤのように 元気なく笑った
自転車に乗って
あの夕日を目指そう
もうため息つく元気もないけど とりあえず行けばいい
誰かさんが言うように
自転車に乗って
今日より少し遠い明日を目指そう
もう歩くのも辛いくらい毎日がいやいやだけど とりあえずなるようになるさ
なるようにしかならないさ
生きて行けばいい
かんたんに
街は言う 人は言う
大人は言い切るだけ
その辛さを乗り越えた場所にある 何かを指差すように
「生きて行け」と言う
それは僕には ただの投げやりな 答えなような気がして迷いが深まった
夜がやってきたのも気づかなかった
階段に腰掛けて ふっと気づけば そこには昨日となんら変わらない明日があった。