詩人:どるとる | [投票][編集] |
周りの速さに合わせて誰もが同じようにしか見えない
変わり映えしないつまらない街
とにかく急がなくちゃと
なんとなく走らなくちゃと
まるで何かに追われてるように今日も人々は同じ方向に向かって歩いているよ
その先にはきっとなにもないのに
自信もなくて
笑う気力さえなくて
一歩踏み出す勇気さえなくて
流れる川のせせらぎに刃向かわずに流されてる石ころでいられる人ばかりが肥え太りふんぞり返れる世界
大人は大人らしく
子供は子供らしく
そんな言葉を履き違えて 大人はいつから働くだけの人になり
子供は素直さをなくし遊びと称していじめ抜く
そんな世の中になり果てて 気づけばほらまたどこからか届かないSOSが煩い街の雑音にたやすく消された
この言葉がもしも
今のあなたを傷つけるなら 言葉は凶器にしかならないよ
だから言葉などいらないよ 黙ったままで抱きしめよう それが愛だというものだ
そうさ言葉はいらないよ 言葉よりもぬくもりで 教えぬくのだ 良い悪いの区別
あなたに見えている光が必ずしも全ての人に見えてないことを
もっと僕らは知るべきだ
あなたが見ているであろうその闇が僕には見えないのと同じように
そこにあるのにないものという概念が邪魔をする
朝がきても明けない夜がここにある
あなたの瞳に浮かんでるその涙のわけは
言葉などでは語れない
言葉はいらない 意味がない
傷の痛みが伝える凍りつくような現実はその人にしかわからぬ 届かぬ 通じない
他人に慰め求めようものなら 他人というだけで距離を置かれて 相手にされず
曖昧な世の中は
あらゆる矛盾を投げかけて 答えぬままに背を向ける
だから余計な言葉はいらないよ
きれいごとばかり散らかして
「なんとかなる」とは言ってはみても
期待、希望は腐り果てあしたの目処さえ立ちやしない
だから言葉はいらないよ
こんな冷えた時代には。