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どるとるの部屋


[4049] 消息を絶つ日
詩人:どるとる [投票][編集]


意味もなく わけもなく生まれた僕らは
行く宛を定めて まっすぐにその場所へ向かうまでの旅をする

夢もなく 生きがいも見つけられないままに
時間が人を年老いさせるなら
僕には一枚の小さな油絵に閉じこめられた思いさえ読み解く暇はない

それでも 命の限りに
声の続く限りに
僕は叫ぶ 己の存在を

まぶた閉じて はじめて見えるあしたがある
まぶたひらいたままじゃ 見えない世界がある

心の中に たくさんの想像があるように
目には見えることのないあしたがある

いつか必ず訪れる
この世界から
完全に消息を絶つ日まで 僕はここにいよう
そして 泣こう笑おう

単純過ぎる理解が繋ぐ
穏やかな毎日に
おもむろに吹く風のように
僕はいつでも当たり前な存在でありたいと願う

その日までどうかお元気で
あなたも僕も
言ってしまえば
空気のようなもの
あるようで何もない
ここにいるということさえ錯覚かもしれない
それでも、この感覚が跡形もなくなるまでどうかご無事で

日々、心して生きよう 形ある扉じゃなく自分にしか見えない窓を開けよう。

2012/07/18 (Wed)

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