ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 合わせ鏡で見る世界

どるとるの部屋


[4070] 合わせ鏡で見る世界
詩人:どるとる [投票][編集]


僕は見ている 内側から外側の世界を
僕が僕を見ている 心の中から自分を

鏡と鏡 向かい合わせて映る 世界
そこには何ひとつ本当のことなどなくて
全てが嘘 まやかしさ
それでも 僕らはいつもあるひとつの法則に縛られ 生きてる

とある日付 とある時間 とある場所に 生まれた なんの変哲もない命が 紡ぐ物語をただ 最後まで見届ける

机上の上の空論としての 夢やロマンに明け暮れて
擬態する虫のようにたまにはズルく すり抜けて 誰かの悪さをまねてみる

合わせ鏡で見る世界
本当も嘘も何もない
何もないのに全てが
本当みたいに見える
それでも時々 頭の隅を掠める あからさまな嘘がきらめきながら通り過ぎていく

そこにいる僕と
ここにいる僕が
お話しながら
これからの
行く末を懸念する

あちらの世界は見えずとも あちらに行った人たちがいるように そこには確証がなくても見える世界の片隅で見えないものが見え隠れ

合わせ鏡で見た世界
青を緑と緑を青と
呼ぶように 見方は様々 見え方も色々
ひとつに拘らず 縛られず 歩いて行く僕らは本当の中の嘘や嘘の中の本当をあたかも見えているかのように愛してる

君も見ている こちら側からあちら側を
そして少なからず関わってる 他人の痛みや人生に

鏡と鏡 向き合わせるように
心と心 重ね合わせて見える

合わせ鏡で見る世界
合わせ鏡で見た世界
そこには何が映る
そこには本当が映る
本当のことより美しい本当の嘘が見えるんだ。

2012/07/24 (Tue)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -