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どるとるの部屋


[4181] さよならの向こう側
詩人:どるとる [投票][編集]


テーブルの向こうで
いつも笑っていた君も 今は居ないよ
面影だけが 記憶の中でただ揺れてるだけ

ひとりぶん多い夕飯は 君を忘れることのできない僕の 諦めの悪さだろう
だけど君と歩いた日々は あまりに僕にとって忘れ去ることのできない程 鮮やかなものだった

誰も居ない部屋の隅っこ 壁にもたれ
虚ろな眼差しで僕は何を見ている
思い出に閉じこめられたままであの日から止まったままの僕の時間

神様はほほえまなかった
はじめて神様に悪態をついたよ
君が好きであれば好きであるほどぎゃくに僕の心を締め付けるなんて 皮肉だね

あんなふうに笑った
こんなふうに泣いた
目蓋閉じれば いくつもの思い出に出会えるのに

さよならの向こう側にひとり旅立って行ってしまった
僕も行きたいけれど
君はきっと望まない

ならば君が生きれなかったぶんまで
僕はこれからを生きよう たくさん笑ってたくさん泣いて

君は空の上で 僕を見ていてくれてるかな
ぎこちなく笑いながら 僕の不器用な日々を笑ってるかな

テーブルの上のささやかな夕飯は冷めてしまった 夜が来ると僕の隣にさみしさがいつの間にか座っている そして僕はたまらなくなって泣き出してしまうんだよ

空っぽの心 もう泣かないと誓ったはずなのに

星のまたたく夜空を見上げながらひとり泣いた 君の笑顔が忘れられない 忘れられるわけないじゃないか

今は居ない人だけど
君ほどこの世界であんなに愛する人にはもう出会えないだろう
だって僕は君だけを愛していた
何もかもを解き放って 裸の心さらけ出した

さよならの向こう側にいつか 僕も行けたなら 真っ先に君に会いに行くよ
そしてまた一緒に笑いあおう
だから君と過ごした日々はこれからも僕は忘れずに

背負いながら抱きしめながら生きて行くよ

この世界でいちばん
誰より愛した人の生きた証になるよ。

2012/08/25 (Sat)

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