詩人:どるとる | [投票][編集] |
さよならの時が押し寄せてくる
今はなき在りし日の人 波にさらわれた昨日を思う
全ては悲しみと化し
粒状の星と変わる
泡となって消えた
つかの間の永遠
僕らが信じた
あの日々が窓から
溢れ出し 逃げる
追いかけるには
あまりに僕らは弱く
追い越すには
あまりに僕らは遅かった
満ち潮に見る 全てを包み込む 有無を言わせないその征服感に
僕はいつまでも浸っていたい
引き潮に出会う その時だけは 涙を流さずにはいられない 去ってゆく背中に待ったの手を伸ばす
それでも 今日もやっぱり引いてゆくのね
あの夕陽のように
夕陽が沈んだように
何もかも
終わらないものがないように
満ちた時は必ず
引いてゆくのね
わかっていたことなのに
悲しみはやむを得ず僕に降りかかる
余韻のような
水しぶきが。