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どるとるの部屋


[4236] 雨の一粒に
詩人:どるとる [投票][得票][編集]


何が悲しくて 君はそんなに泣くのだろう
心を散らかして
何がうれしくて 僕はこんなに笑うのか
人の気持ちを余所に

僕の世界は今 夜にのみ込まれ 都合のいい事だけが僕の耳や瞳を出たり入ったりする

雨の一粒にさえ 少なからず意味があるように 僕ら一人一人にもそれぞれ雨粒と同じ意味がある筈だ

なんだか嬉しい
なんだか悲しい
心定まらない
そんな時には
心静かにして
押し寄せては
引いてゆく
時の満ち引きに
この上ない
幸せを見いだすといい

緑の中を 自転車でいくら駆け抜けても
たどり着けやしない
追いつけやしない
いつかの今日にどんな顔を浮かべようか
それよりも先ずは目の前の今と向き合い
いつもどおり歩いて行こう

僕もありふれていたとしても意味のないものはひとつとしてないたくさんの雨粒の中のたったひとつの一粒になろう。

2012/09/13 (Thu)

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