詩人:どるとる | [投票][編集] |
どんなに待っても
家は建たず
どんなに待っても
墓は出来ず
ただ時間が流れるだけ
遠い異国の戦争や
誰かも知らぬ
人の死が
僕にもたらす影響は
きっと何もない
たぶん何もない
新聞の隅にも載らないだろう
テレビにもかすりもしないでしょう
例えあなたが居なくなっても例え今日が最後でも あなたの終わりを知るのはごく少数の人だけ
それでもいいのさ
僕は笑うよ
それでもいいんだ
君と笑うよ
そこにどんな概念が紛れ込もうと
微熱にうなされるように
寝返りもきついくらいに
僕はまだまだ醒めない夢の中
手探りで明日を探していたいから
君に知っていてもらえればいい
そんなふうに笑ったこと
こんなふうに泣いたこと
蛇の胴のように長い長い夜
例えば茶柱が立った朝
そんな記憶をずっと君は覚えていて
なんとなくでいい
あるかないかの境
微熱のような思い出をなんとなく大切にしていて
例えそれがなんの役にも立たなくても
君の中にいたい
いつ僕がどうなってもいいように
いつ誰がどうなってもいいように
そのために
誰かが誰かの足跡にならなくちゃ。