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どるとるの部屋


[4466] モノクローム
詩人:どるとる [投票][編集]


さよなら さよなら
僕にさよなら

新しい今日が来ました
新しい花が咲きました
新しい風が吹きました
新しい鞄を買いました

何も変わらないのに
全てが変わってしまう
そんなふうにそんなふうに僕ら誰もが抱えてる悩みや迷いをくだらないと笑っても 薄れない 痛みがある 拭えない 涙がある

だから色のないぬりえのままで 僕は無声映画のような世界に取り残されている

モノクローム モノクローム 街並みはモノクローム

パレットの中 混ぜる 黒と白 灰色になるはずが黒になる

新しい子供が生まれました
新しい路地を見つけました
新しい服を買いました
新しい靴も買いました
意味のある無意味な行為

さよなら さよなら
僕とさよなら

繰り返されるのは
もはや仕方ない

ただ、受け入れるだけ

モノクローム モノクローム 表通りはモノクローム

わけもなく手を振る窓辺

あの人の最後の笑顔は とても輝いていたのに どうしておぼろげなままなのか

つかの間、泡沫の思い出がシャボンのように浮かぶ

思えば思うほどモノクローム かすんでく世界

好きになっても
好きになっても
どれだけ思っても
持て余す心

それはモノクローム モノクローム モノクローム。

2012/12/02 (Sun)

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