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どるとるの部屋


[457] 恋文
詩人:どるとる [投票][編集]


どうしてこんなに近くにいるのにね
うまく言葉を伝えられないのだろう
ただ愛してるというだけじゃとても簡単すぎて僕の想いに重ならない気がして
どうしても伝えられないまま 渡せずにいるままのこのラブレター

いつもそばにいるだけで何ひとつしてあげられない
そばにいるだけなら僕じゃなくてもいいよね

涙が出ちゃうほどの言葉じゃなくちゃ
君の心はふるえない
そんな気がする
長い長い孤独な夜も明かしてしまうほどのあざやかな言葉はないものなのかな
今も探しているよ

心にきざむ
愛の言葉
愛してるはまだ
僕には簡単すぎて
まだ伝えられない
だから恋文を書いて
まとまらない気持ちのすべてを見てもらうのさ

僕の心の中
のぞいてもらうように素直なままの気持ちを文字にして君に伝えるよ

いつかそんな気持ちのすべてを束ねた愛してるの一言を言える日まで

愛なんて一言なんかじゃ言い切れないことなんかわかりきったこと
だけれどあまりにも若い僕には荷が重い言葉さ

だから恋文の中に書き連ねるよ
烈々たる想い
受け取ってください
今はゆるしてください
言葉にはならない
声にはできません
だからそのかわりにこのラブレター
受け取ってよ

やがて二人の想いが花をつけ言葉にできるようになった
その時に伝えるから

今はラブレターでゆるして

僕のへたくそでも一生懸命に書いた文字が踊る桜色の便せんに書いた言葉は君をどれだけ救えてるか
僕はそれだけが心配だった

恋文。

2009/11/08 (Sun)

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