詩人:どるとる | [投票][編集] |
街を歩くと いろんな風景が見える
知らなかった人の顔
知らなかった店や道
知らなかった優しさやなくなってしまったもの変わってしまったもの
街を一歩出ると電車に乗り継いで
たどり着いた街には僕の知らない景色がある 知らない花も咲く
知らない声がする
いろんな人の暮らしがそこにはある
いろんな人の人生がそこかしこにある
いろんな人の生き様があるんだね
駅をひとつ越えただけで そこは知らない街 君が住む街
街を歩くと そこには沢山の悲しみが 沢山の喜びが 長い歴史がある そんな気がする
ひとり歩けば 一歩踏み出すたびに この胸にあたたかいものが生まれては消える
コロッケやお惣菜の匂い
どこにでもありそうな商店街
ラーメン屋さんに青果店雑貨屋さん
いらっしゃいませと声をかける人
優しさが にじみ出るそんな街なのさ
いつの間にか 日は暮れてもう帰る時間
ほらなんだか 心には見えない何かがほっこり 生まれてるね
大した人生じゃないけれど どこかがいいもんだ
偉そうにはなれない身分ではあるけど
何かがいいもんだ
街を歩くと いろんな出会いがある 誰かの顔に咲いた 笑顔が
ぶらり歩けばすぐにつぎの笑顔に出会える そんな素敵な街
例えば散歩するように僕は生きて行こう
悲しい話は尽きないけれど
尚更、おもしろおかしく僕は生きて行こう
電車の中 窓ガラスに映る自分の姿が
涙でにじんだら
もう何も言うことはあるまい
ただ優しさに包まれるだけだ
余韻がしばらくつづくだけだ
あとはただ帰って眠るだけだ
あとはただ帰って風呂に浸かるだけだ
愛するあなたに今日あったことを話すだけだ
だけだ。