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どるとるの部屋


[4696] 絵を描く日々
詩人:どるとる [投票][編集]


色のない日々 モノクロの日々
僕は独り 空を見上げていた 割れた窓から あなただけをそっと見ていたよ

泡のような日々 絶えず生まれる日々
君も独り 空を見上げている ステンドグラスがキラキラ輝いて光を跳ね返してる

何を描こうか 誰と描こうか
孤独な絵描きさ 僕は 人生画家

光と影が巧く入り交じる よくできた世界
だけど 肝心なものはいつもなぜか矛盾していて それも含めてよくできた世界

午後のアトリエ いつも足りない絵の具の代わりに 命のかけらを使い回して
僕はまた少し 時間を奪われた

心のアトリエ 何万何億の絵の具の中のたったひとつの色に染まった命が
紡ぐ物語 危ういながらも先へと進む

悲しみも喜びも一枚の絵の中さ
涙も笑顔も同じ世界にあるように
残酷な現実も穏やかな昼下がりも
海や大地や空と国境を越えて繋がっているように

僕らもすれ違う毎日を生きている

それはまるでさながら絵を描く日々

戯れでもおふざけでもなく 僕は描く

悲しみさえも 形にすれば浮き上がる傷跡

消せない油性の傷跡
僕は絵を描く人

絵の具は尽きない
何度でも幾らでも
この心に描かれる

それはまるでさながら映画を観てるよう

全くの他人ごとさ 遠目で見ている人生

伝わるか 届くのか
自画像は描けない

自分の失敗や弱さや過ちはこんなに達者に描けるのに

それはまるでさながら器用な不器用者

自分の姿を知らずして 僕は世を写し取る

ひたすら絵を描くように生きる日々だ。

2013/02/05 (Tue)

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