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どるとるの部屋


[4698] 自転車にはじめて乗れた日
詩人:どるとる [投票][編集]


君は覚えているでしょうか
はじめて自転車に乗れた日を
ずっと昔のことさ

なかなか乗れなくて
転んでばかりいた
押してくれる母親や父親に叱られた

どうしてこんなことしなきゃいけないのかな
たくさんの疑問や悩みを 抱えながら自転車の練習を毎日していた

自転車にも乗れない
人はいないんだ
だから自転車に乗りなさい 乗れるようになりなさい

わけのわからない理屈をいつも大人は並べて
漠然とした要件だけを突きつけて
確かな理由も述べないままで僕はいつの間にかそれでも自転車に乗っていた

自転車にはじめて乗れた日は なぜか楽しかったんだ
きっとそういう気持ちにさせたくて一生懸命僕に付き合ってくれたんだろう

世界が広がった気がした 世界が僕に近づいた気がした
自転車にはじめて乗れた日は 僕自身に打ち勝てた日だって
思うから笑うよ
あの日の自分の傷跡に 今も膝小僧に かすかに刻まれてる

自転車にだって乗れるんだ だからなんだってできるんだ

行こう 行こう 夢の向こうへ
行こう 行こう 勇気のペダル漕いで行こう。

2013/02/05 (Tue)

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