詩人:どるとる | [投票][編集] |
本当に大切な思い出は心だけに残るから
形には残らなくてもいつも胸の中にある
それはまるで灯火のように今にも消えそうに揺れている
君のぬくもり 君の声 君の仕草
全てどれひとつ欠けることはなく
記憶の中に刻まれている深く深く
君の名前を呼ぶ僕の声が 僕の名前を呼ぶ君の声を連れてくる
こうして目を閉じればもう会えない人とも心を通わすことができるんだ
今はもういない君の面影を探し続ける度に もういないことをもう一度気づくから
君との思い出が笑いあったことまで悲しみで滲まないように
君のくれたあたたかい日々をこの胸にそっと灯すから
歩き続けるこの頼りない背中を遠く見守っていて
刻みたい思い出は治らない傷跡のよう
時間をかけて痛みはひいても微かに残る
それはまるで影さえ残さずに消えた人の
小さな笑顔 小さな足跡 小さな命
その人の命は尽きたあとでも残された
人々の明日の向こうで続いてく
誰かに笑いかける君の笑顔が 誰かの顔にも笑顔を咲かせる
なんのこともないいつもの当たり前な景色に幸せを添えるのはそんなこと
今はもういない人だから この世界に残された僕らがその人の代わりに今を生きる
人が刻む思い出はきっと悲しみだけではないだから
僕は君のくれた思い出の灯火を吹き消しはしない
例えば君との思い出が時に涙誘っても僕は知っている
君がくれた思い出はまるで灯火のように
振り返るたび僕の胸を熱くする
君のあの優しさが今も僕の中にある
けっして悲しいだけではない 深い深い悲しみの中に 光がある
だからこの思い出は忘れてしまうには
大切な場面を秘めた忘れがたいものを潜めてるから
この灯火は消えないで僕の中に灯ってる
本当に大切な思い出ほど心に残るから。