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どるとるの部屋


[4715] 影踏み
詩人:どるとる [投票][編集]


枯れ葉舞う 冬の小道をポケットに手を入れて 寂しさ胸に歩く

この胸を温めるもの探せども探せども見つからない
今日も寂しさだけを持ち帰る 夜が瞳の中隅々までも黒く塗りつぶすだけ

枯れ葉舞うように僕も日々を舞うように生きる 夕暮れ帰り道

あの道の向こう すれ違う母と子の微笑ましい会話に重ねた
いつかの自分の姿に
なんだか今はもう届かないものを ふれられないものを見た

切なさに影を踏まれて 一歩も動けない
歩けない 僕は生きるという言葉の意味を難しく考えすぎて
空回りする日々の中
何が良く何が悪い
その違いさえわからずに 生まれては消えていく日々抱え
昇っては沈んでく今日を今日も見送る

たくさんのわからないこと 全てに正解を見いだしたくてでもできなくて
僕は迷いに沈んだ
僕は悩みに悩んだ

大人になった今もこれという正解を出せないままで
いるはずもない神様に影踏みされているように
窮屈な日々を生きている

答えはどこだ
真相はなんだ
溜息ひとつ
夜に融けた

きっと最初からそんなものはない
そうとわかっていてもまだ抜け出せない僕だ。

2013/02/09 (Sat)

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