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どるとるの部屋


[4835] さえずり
詩人:どるとる [投票][編集]


耳を塞いでごらん目を閉じてごらん
聞こえないものや見えないものが
聞こえるよ見えるよ
心で見つめたら目や耳じゃわからないものがわかるんだ
何かが違って 見えるよ
何かが違って 聞こえるよ
子供の目の中に たぎる 声にならない叫び
それは 小さなささやき声 心が発するさえずり
夕暮れ色に染まる赤い街並み
普段は見せない街の横顔が
なんとなく浮かんでる

歩道橋の上にのぼって沈む夕日を僕は見ていた
今日あったこと 教えてよ
何が変わるわけでもないけれど
絶え間なくあふれる人ごみの中 佇めば
誰ひとり人に気を配る人などいないだろ
自分に精一杯で 人の痛みや悲しみに気づく隙さえないんだね
悲しい風景さ 心のないこの街は
だから少しだけ 足を止めて僕も周りの音や風の流れに心を研ぎ澄ませてみる

子供の目の中に たぎる 声にならない叫び
それは 小さなささやき声 心が発するさえずり
誰かの助けを必要としている あなたの為
何かが出来るなら こんな僕にも意味がある
大丈夫ですか?の一言に救われるときもある
それは心に差す陽射し あたたかなさえずり。

2013/10/06 (Sun)

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