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どるとるの部屋


[5038] 夢紙ヒコーキ
詩人:どるとる [投票][編集]


白い 紙ひこうき 空へ 飛ばしてみよう
夢を描いた 紙ひこうき 未来へ飛ばしてみよう

夕暮れの空にほら
浮かんだ雲は なんだか俯いてるみたいで
少し 切なくってたまらなくなったんだ
訳もなくぶらぶら
どこまで行くのだろう 願わくばこのままどこまでも

何か探していた 何か求めていた
中途半端の僕にも見えるもの つかめるもの

明日に 向かって 飛んでいく紙ひこうき
いくつもの 人の願いや夢が 叶いますようにと祈りながら
心の中で折ったのですね

夢紙ひこうき 飛ばして 今、僕も未来のドアのノブに そっと手をかけてみる

錆び付いたブランコ 漕ぐのが好きだった
誰も居なくなったあとの公園が好きだった

涙流しながら帰っていた 道の上に 街灯が並んでこちらを見ている 優しくしないでくれよ 冷たくあしらってくれたら
何もかも捨てられるのに

何か 忘れていた
何か 見失っていた
優柔不断の果てに見た後悔に似たためらい傷

明日に向かってゆく 旅人のふりで さすらってみる 風に吹かれてみる 何かを得た代わりに何かを失ってゆく
そんな定めにさらされながら

夢紙ひこうき そっと僕の元に帰ってくる
紙ひこうきを作り直そうと 紙を開いたら そこに懐かしい夢が下手くそな文字で書かれていた

「宇宙飛行士に
プロ野球選手に
船乗りに 海賊に
王様になれますように」
統一性も何もない
バラバラな夢が躍ってた

明日に 向かって 飛んでいく紙ひこうき
いくつもの 人の願いや夢が 叶いますようにと祈りながら
心の中で折ったのですね

夢紙ひこうき 飛ばして 今、僕も未来のドアのノブに そっと手をかけてみる

今はあの頃の僕のように夢を追いかける
子供たちに 笑いかけてみる。

2014/03/09 (Sun)

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