詩人:どるとる | [投票][編集] |
ふと目をやる部屋の中 テーブルの上
所在なげに 置かれた誰かが好きだと
言っていたティーカップ
満たされることのない思いのままで
ただ先を急ぐような街を眺めてる
凸レンズから覗いたような ぼやけた世界には こんな苦笑いがお似合い
日々悪びれることもなく積み重ねる嘘や言い訳がシャボンのように浮かんでる
独りきりの帰り道影は長く伸びて
僕より低い君の影が僕の背に追いついた
何かをごまかしながら笑ったのを
君は見逃さなかったんだね
誰にも必要とされず道端に捨て置かれた吸い殻や空き缶は
誰が拾ってくれるのだろう 誰が愛してくれるのだろう 襤褸切れのような心
夕闇から 逃げてみるけど夕闇は僕が どこまで逃げても
いつの間にか夜を連れてくるんだ
静かすぎてさ僕にはたまらなく 寂しかったよ
だからだから
誰にも必要とされず道端に捨て置かれた吸い殻や空き缶は
誰が拾ってくれるのだろう 誰が愛してくれるのだろう 襤褸切れのような心
僕なら迷いもなく愛せるのに
人は人の涙のそばを素通りしてゆく。