晴れた昼下がり 君は窓辺に座り絵を描いていた 何を描いているのと聞くと「世界」と大ざっぱに言ったよ風は私のちっぽけな苦悩を せせら笑うように 吹き抜ける忙しさと忙しさ隙間に ほんの少し生まれた 開け放された自由の中で見つけた愛すべき時間いつか咲いていたヒルガオの花君が言う「世界」はきっと僕が思うよりずっときれいでずっと 輝いているんだろうだから 自分ばかりの悲しみに 僕は迂闊に涙を流したりはしない。
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