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どるとるの部屋


[5042] 環状線をゆく
詩人:どるとる [投票][編集]


たとえば 悲しみは
環状線をゆく
電車にも 搭載されている

たとえば 喜びは
スズカケの木の
根元に光る
昨日降った雨の小さなひと粒に重なる

さよならを言うのなら
はじまりを置いていけ
いつかまたここで
出会えるその日のために

ただいまを言うのなら
おかえりをくださいな
果てしない物語の
あらすじをまだ知らない

環状線をゆく
いつものあの席に
座って 眠り込む
あの人の胸の中に
その睫の上に

明日は舞い降りる
そっと静かに。

2014/03/10 (Mon)

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