詩人:どるとる | [投票][編集] |
名前を呼ばれたような気がして風に誘われるまま
僕は家を飛び出した
開けた窓から見ていたのさ 大きな黄金色の満月
ボロ自転車で行こう
悲しみは 悲しみのままで
切なさは 切なさのままで
変われない僕を万華鏡のように見せる
ふわっと生まれた
声に 振り返ると
もうこんな季節です
なんてことのない
いつもの夜なのに
ただひとついつもと違うのは なぜだろう 今夜は明日に期待できそうなんだ
ペダルを漕いで 行けるところまで行こう
車輪は回る
クレーターが よく見える 月面に降り立った飛行士のよう
無重力になったみたいに心が軽い。