詩人:どるとる | [投票][編集] |
握ったその拳は何を殴る為にあるの
弱い自分を殴る為にあるんじゃないのかい
痛みを分け合い親が子を殴る時のように
優しさは時に鬼の顔であなたを睨む
だから勘違いしてしまうんだね
だからわかりづらいんだね
本当の優しさというものがもしもあるならば
きっと間違いを犯したあなたを 叱りつける
誰かの拳が本当の優しさなんだろう
ねえ 殴られたほうも痛いが 殴るほうも痛いんだよ
繰り返す心と心の痛み分け あなたを育む優しいまなざし
世の中で生きていくために
していいこととわるいことの区別
出来るようにわかるように教えるはずの親なのにどうだろう 今の世の中は
痛みを教えないばかりに 伝わらない本当の優しさってもの
痛みを教えながら 拳で優しさを語るのが本当の優しさなのに
言葉だけで許されてる子どもたちは
痛みを知らないまま育って大人になる
そうして世の中に出れば ほら人の痛みがわからないから
傷つけることさえ厭わない そんな人ばかりいるよ
僕の親もその親もその親の親も
きっとそうやって形は違えど同じ
優しい拳で 教えられたんだ心のあるべき姿を
本当の優しさというものがもしもあるならば
きっと間違いを犯したあなたを 叱りつける
誰かの拳が本当の優しさなんだろう
ねえ 殴られたほうも痛いが 殴るほうも痛いんだよ
繰り返す心と心の痛み分け あなたを育む優しいまなざし
ねえ あなたを殴ったあとには 静かな夜の海のように
落ち着いた波のさざめきが聞こえる
明くる朝はいつもみたいに優しく笑うあなたがいる
ほらね愛は 確かにここにあるでしょう
ほらね優しさは嘘じゃないでしょう。