詩人:どるとる | [投票][編集] |
「運命」とか「境遇」とか そんな言葉で片付けられてしまうのだろうか
この世の中にのさばる理不尽や不条理を
自らが産み落とした我が子でさえ愛せない
その瞳にはほんとに大事なものが映っているのか
いつか 抱いたあの気持ちは嘘ですか?
小便垂れ小僧が戯れに
一生懸命描いた 落書きのように
きっとそこには 何の罪の意識も無いはずなのに
大人ばかりが 真っ白なその画用紙に
余計なものを書き足すように
あるはずもない企みを 真面目に生きるその様に見ている
子供はあなたに愛されたいだけでそれ以外は何も望まない
目の前にある真っ直ぐな笑顔を 僕らはただ 抱きしめればそれで 立派に愛だといえる
「あなたの元に生まれてしまったばかりに」
なんて子供は思わないよ
あなたが「あんたなんか生むんじゃなかった」と冷たく突き放しても
まだひとりで歩けないうちから おまえがその脆すぎる命を粗末にすれば
きっと誰もがおまえを非難して 理解などしてくれないだろう
どんなに冷たくあしらわれても
おまえに縋って あなただけが世界でただひとりの親だと
微笑む我が子の瞳はおまえの荒んだ心にどう映るんだろう
おまえが傷つけたその傷の一つ一つに
おまえの弱さが映る
おまえの醜さが滲む
いざ愛そうとするとうまくいかずに空回りしてしまう
簡単じゃないさ 人を愛するとか 愛されるということは ねえ
それでも最後まで愛するために 生んだ命だろう?
子供はあなたに愛されたいだけでそれ以外は何も望まない
目の前にある真っ直ぐな笑顔を 僕らはただ 抱きしめればそれで 立派に愛だといえる
子供はあなたの表情を読み取って 実に素直に泣き笑いを繰り返す それを非難するならば 愛などやっつけに過ぎぬ。