ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > ただいま おかえり

どるとるの部屋


[512] ただいま おかえり
詩人:どるとる [投票][編集]


いつもの帰り道
いつものコンビニを曲がって
変わるのが遅い信号にイライラ
昼間ならそうだけど夜はもう疲れてしまってイライラする元気も気力もなく
ただぼんやりと信号が変わるのを待ってる
変わったら変わったでゆっくりと横断歩道をわたる
歩きながらね今日一日の中で面白かったこと悲しかったこといろいろ思い出してみてはそのひとつひとつに感想をつぶやいて
人目も気にせずぶつぶつ独り言

やがて 家に着いて
僕は玄関のドアの鍵を回して開ける
昼間とはまるで違う重さに少しため息

だけれど僕がただいまと言えば大好きなあなたの声でおかえりという言葉がかえってくる

そんな幸せに一日の疲れはまるで魔法のように溶けて消えていくよ
君の笑顔を見れば何が悲しかったのかももうどうでもよくなってしまうから
いつもこのドアを開ければ僕はまた元気な気持ちで君を抱きしめられるよ

だから 言うんだ
ただいま…
そして 欲しいんだ
おかえり…

魔法のように僕の心は優しさで満ちていくよ

ありがとう…
愛してる…
私事でたいへん恐縮ですが、とても嬉しいことなんだ

いつも
いつも
気づいては
泣いてしまう夜

僕のただいまと
君のおかえり
このふたつの言葉が交わされたらもう僕は今日を幸せと思えるから
そのためにも欲しいんだよ
世界で僕だけに今は聞こえる君のかすかな吐息まじりのおかえりが

地球の中にとある一軒家
その中に住む君と僕のほんのささやかな日常の物語

だけれど僕にはどんなことよりも大事で
大切で尊くて愛しくて
君がもう
世界の中心のように思えるんだ
その言葉と笑顔だけでもう僕は

有り余ったこの愛を誰に伝えようか…

2009/11/16 (Mon)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -