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どるとるの部屋


[5150] きれいな嘘
詩人:どるとる [投票][編集]


雨が降るのは誰のため
お日さまが昇るのは誰のため
きっとそれは誰のためでもないのだろう

夜が暗いように
朝が明るいように
そこにはただのひとつの答えもないよ

日が暮れて 空があかね色に染まるのも
帰り道 ぼんやり見上げた空に昇る月も

其処にあってホントは何処にもない 悲しみや喜びに僕らは
笑ったり泣いたりする 今日が此処にあるのも すべてはきれいな嘘なのさ

だまされてることにも気づかないまま
僕らは終わりまで 生きるのでしょう

誰かを愛すのは得意なのに
誰かに愛されるのは苦手なのです
抱きしめられるのがたまらなく恥ずかしい

今日が終われば明日が来るように
当たり前に続く日々は至って単純で

言い訳をしたり 駄々をこねてるうちに
一日は終わって 遠ざかる誰かの背中が見える

意味があるようで無意味なことの繰り返しさ 僕らは
落ち続ける砂時計の中の小さな砂の粒 いつかはこの世界とさよならするんだね

だまされていることさえ 楽しみながら
嘘で出来た 光り輝くこの世界を生きる

行ったり来たり 振り子みたいに
朝と夜を行き交って
やがてたどり着く
最後の日に僕は何を思うだろう

其処にあってホントは何処にもない 悲しみや喜びに僕らは
笑ったり泣いたりする 今日が此処にあるのも すべてはきれいな嘘なのさ

だまされてることにも気づかないまま
僕らは終わりまで 生きるのでしょう

僕らをだましてる嘘はほんとの嘘だから
其処にあるものだけが すべてになる。

2014/04/08 (Tue)

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