詩人:どるとる | [投票][得票][編集] |
何もないベランダに色とりどりのガーベラを咲かせて
これといって何もない景色に花を添えよう
とりあえず気持ちを切り替えるために
カーテンを明るい色にかえて
ティーカップでも買おう
誰かの笑顔が 急に見たくなって
君を呼んで 柄にもなく愛してるなんて
ささやいてみたんだ
悲しみも喜びも あしたも変わらず
続くこの世界も澄みきった今日の青空のようにただどこまでも期待を裏切らない
せわしなさに 僕らは心の余裕をもてない
だからとりあえず心に見えない花を飾って
開けた窓から見える飛行機雲に手をかざす
犬の名前を決めかねて とりあえず適当に決めたけど
ガーベラはすっかり枯れてしまったよ
取り残されたように生きる僕はひとりぼっちで
春めく街を横目に
僕一人だけが浮かない顔でうつむいてる
君の好きだった珈琲の銘柄も
あの場所も 今ではもう覚えてないよ
それ程時が経ったんだね カレンダーは君がいなくなったあの日から変わってない
悲しみも喜びも あしたも変わらず
続くこの世界も澄みきった今日の青空のようにただどこまでも期待を裏切らない
せわしなさに 僕らは心の余裕をもてない
だからとりあえず心に見えない花を飾って
開けた窓から見える飛行機雲に手をかざす
いつか君と歌った 僕のつくった愛の歌は
ガーベラと同じように すっかり色あせてしまったよ
もう一度 君と寄りを戻せるなら
あの日の僕を 謝りたい そして
愛されたいよ
だからもう一度だけガーベラを育ててみたんだ
飛行機雲はもう途切れてしまったけど
まだかすかに残ってる。