ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 花が花であるように

どるとるの部屋


[5270] 花が花であるように
詩人:どるとる [投票][編集]


咲かせてごらん
嘘偽りでもいいから
うれしそうに
泣いてみてごらん

流れる街並みの速さにふと置き去りにされそうになる
「美しいだけの花などありふれてる」そう言って君は泣いた

悲しみは 悲しみのままで
喜びは喜びのままで
ただ淀みなく続いてゆく世界に
どこまで私は世界から遠ざかってゆくのか

化け物のように
牙をむいてごらん
空っぽのコップに
時間を満たす

流れる雨は 何を流す為に降るんだろう
「世界はただありのままを映す」
異変を望むのは心の醜さの現れか

痛みを残したままのいつかのさよなら
花が花であるようにそこにはなんの普遍性もない
そんな果てもない退屈を僕はいつまで抱えて生きるの

時々焦ったように生き急ぐ僕らを空は
笑ってる 人の気も知らないで

悲しみは 悲しみのままで
喜びは喜びのままで
ただ淀みなく続いてゆく世界に
どこまで私は世界から遠ざかってゆくのか。

2014/04/29 (Tue)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -