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どるとるの部屋


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詩人:どるとる [投票][編集]


眠るように逝ったあの子の命は
どこに行くのだろう

小さな子供をなくした親はただ
悲しみに嘆いて
「どうして」ばかり繰り返す

運命というどうしようもないものに
憎しみをどれだけ抱いてもむなしいだけだ

昔、命を灯に喩えた人よ
あなたの想像力には感服するよ
最初の勢いがだんだん小さくなって
弱々しくなってやがて消える様に
あなたは灯の姿を重ねたんでしょう

僕も同じ 君も同じ
誰も長さはまちまち
でも、灯を胸に
ともして 生きている

残酷という言葉を嫌悪するのは 悪いことばかり見つめるから

どうして僕らは自分の命さえ 自由に出来ないの
ほんとはもっと生きたいのに

運命という絶対的なものの前では
僕らの都合など簡単に叩き伏されてしまう

命が灯ならば 赤く燃え盛る炎
生きているって君も燃えてごらんよ
身体は日々老いていくけれど
心だけはずっと変わらないから
ああたとえ明日をもしれぬ命でも

今日を精一杯生きるんだ
そしてやがて押し寄せる大きな波に 命を明け渡すとき笑えるように

昔、命を灯に喩えた人よ
あなたの想像力には感服するよ
最初の勢いがだんだん小さくなって
弱々しくなってやがて消える様に
あなたは灯の姿を重ねたんでしょう

僕も同じ 君も同じ
誰も長さはまちまち
でも、灯を胸に
ともして 生きている。

2014/05/06 (Tue)

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